The Model型組織が抱える分断の課題解決のためにACES Meetを利活用:後編
全研本社株式会社
eマーケティング事業本部 バリューイノベーション事業部 主任
北川 慎太郎 さん
- フィールドセールス
- 広告・マーケティング
- 従業員数:101-500名
導入前の課題
- フィールドセールス部門とカスタマーサクセス部門との情報共有
- 新人教育の工数
導入後の効果
- 1時間かかっていた振り返りが3~5分に短縮
- ポイントを押さえた新人教育の実施
導入の決め手
- 録画だけの振り返りに疲弊していた
- ACES Meetは振り返りを時短できるソリューションだった
- フィールドセールス部門での先行導入効果から、カスタマーサクセス部門でも効果が見込めると判断した
独自のWebマーケティング戦略による集客支援サービスを展開する全研本社株式会社。そのカスタマーサクセス部門の役目は、お客様に寄り添い、成果に結びつくまで徹底的に伴走することです。
そのためには、フィールドセールスが商談で得た情報を漏れなくカスタマーサクセスが受け取り活用することが必須。同部門主任の北川慎太郎さんに、ACES Meetの活用方法についてお話を伺います。
目次
フィールドセールスから案件を受け取り、結果が出るまでお客様に伴走
―― まずは、北川さんが所属しているバリューイノベーション事業部のカスタマーサクセスのお仕事について教えていただけますか?
私が所属するバリューイノベーション事業部は、コンテンツマーケティングの商品の制作・販売を行っています。カスタマーサクセス部門では、主にBtoB商材を扱うお客様のマーケティング支援を担当させていただいております。たとえば工業製品のツールを比較するコンテンツや、お客様のシステムを紹介するようなコンテンツを制作・運用して、狙い通りの成果が出ているかを確認しつつPDCAを回していきます。
お客様のマーケティング業務の成果が最大化するように支援することが私たちの役目です。フィールドセールスや制作・カスタマーサクセスが1つのチームとしてまとまることで、お客様の成果を第一に考えて行動しています。イベント出展やDMの展開なども含め、コンサルタントや運用パートナーとして伴走します。
フィールドセールスとの連携の工数が課題
―― カスタマーサクセス部門の一般的な課題として、インサイドセールス部門やフィールドセールス部門との情報共有に課題を抱えていることが多い印象です。貴社の場合はいかがでしたか?
かつては弊社でも、フィールドセールス担当者との連携には課題感を抱いていました。カスタマーサクセスは営業に同席しているわけではないので、「シミュレーションを提示しているか、それは根拠の伴った現実的なものになっているか」「お客様にリスクも含めご理解をいただいているか」という確認を営業担当者に行わなければなりません。営業担当者からクライアントへ戦略や目標については正しくご案内さしあげているのですが、コンテンツマーケティングの性質上、例えば、自然検索のボリュームやリスティングを出稿した時の費用対効果についてお客様に契約締結の段階できちんとご理解いただかなければならず、確認作業に多大な工数をかけてしまっていました。
そこで、大規模な組織改編を行い、フィールドセールス・制作・カスタマーサクセスの3者が同じチームで動けるようにしました。営業が提案を行う前にフィールドセールスとカスタマーサクセスの間で相談をしたり、制作も含めて話し合うことで「どのような戦略、メディアが必要なのか」をより具体的に提示できるようになりました。
―― The Model型組織が抱える課題に対して、貴社なりの体制ができていたということですね?
はい、おっしゃる通りです。ただし、フィールドセールスからカスタマーサクセスへの引き継ぎ時の工数は負担になっていました。具体的には、フィールドセールスが行った商談動画は、カスタマーサクセス部門で必ず全てをチェックするという決まりになっています。フィールドセールスが商談に1時間かけていたとすればカスタマーサクセスも1時間かけて振り返っていたので、商談へ同席することと変わらず、中々の工数でした。
もう1つの課題として、新人育成の工数の問題もありました。いくら研修を重ねても、お客様との実際の関係の構築の仕方や、現場でお客様と対話して初めて生じる問題を感じ取ることはできません。指導を行う上司としても、新人・若手社員に十分なフィードバックを行うためには、商談に同席したり商談動画を見なければなりませんでした。全員が忙しい中で何とか新人教育を行っていたので、気合と根性の世界でしたね。
ACES Meetの利活用で、営業間連携の工数を削減
―― フィールドセールスとカスタマーサクセス間の連携や新人教育の強化は重要なトピックですが、おっしゃる通り、業務負担との兼ね合いが課題としてよく挙げられます。
弊社でも、営業間の連携や新人教育について、質を下げずに工数を減らす方策を求めていました。そこで、先行してフィールドセールス部門で導入されていたACES Meetを部門全体で活用しようという流れになったのです。
―― ACES Meetはどういった場面でお使いいただいているのでしょうか?
営業の商談を記録して、カスタマーサクセス部門に共有する形で使っています。ACES Meetの場合URLを共有しておけば動画を見られるので、カスタマーサクセスだけでなく制作の担当者も見られる状態になっています。
新人教育の場合、商談動画をACES Meetで撮り溜めておいて、それをメンターと呼ばれる上司が確認します。メンターは月に10本から20本の動画を見た上で、「ここの説明が少しわかりづらいね」などのようなフィードバックを行います。ロープレの記録用にも使っているほか、新人社員が先輩社員の商談を見るために使うこともありますね。新人さんにとっては引き出しを増やすことが何よりも重要です。本当は同席しないと学べないことを擬似的に体験することで、色々な人の良いところを学習するきっかけとしているようです。
―― ACES Meetを利用した感想も教えていただけますか?
文字起こしの精度が高くて感動しています。文字起こしの内容から動画データの見たい部分に飛べるので、お客様が話し始めるタイミングなど、クリティカルな箇所だけを抜き出して見返すといったことが簡単にできます。
商談振り返りの時間は「60分→3~5分」CSが本来業務に向き合える組織づくり
―― ACES Meetを入れたことによって、どういった効果がありましたか?
フィールドセールスからカスタマーサクセスへの引き継ぎの工数が大幅に削減されました。従来は商談動画を同じ時間をかけて見返す必要がありましたが、ACES Meetのおかげで1時間の商談でも3〜5分程度で振り返ることができるようになりました。先ほどもお伝えしたように、文字起こしの精度が高いからこその効果だと思っています。引き継ぎがすごくスムーズになったことを感じています。
―― 1商談あたり3〜5分で見られるというのはすごく大きな成果ですね。
簡単に見返せることに加えて、制作担当者も商談を見られるようになったことも大きな効果だと感じています。従来であれば、カスタマーサクセスは、フィールドセールスと制作担当者、あるいはお客様と制作担当者の架け橋のような形で走り回らなければなりませんでした。しかし制作担当者がACES Meetを使って商談を振り返ることで、「お客様 – カスタマーサクセス – 制作」の連携がシームレスになったと感じます。
―― ACES Meetを社内コミュニケーション円滑化にお使いいただけているということで、大変うれしいです!
こちらこそ本当に助かっています。このようにカスタマーサクセスが橋渡しの役割から解放されたことで、働き方も変わりました。たとえば成果の追求、お客様の広告予算を抑えるための戦略立案など、本来カスタマーサクセスがやるべき施策に集中できるようになりました。
制作担当者としても、カスタマーサクセスからの又聞きではなく実際のお客様の温度感をACES Meetで確かめられるため、より良いコンテンツ作りに集中できるようになっています。シームレスにつながりながらも、各々の役割分担が明確になり、自分がやるべき業務に集中できています。
20時間かけていた新人メンバーの商談確認が、わずか1時間に短縮
―― 新人教育の工数にも課題感があったとのことですが、ACES Meetをお使いいただきいかがでしたか?
弊社では新人さんへのサポートは手厚く行うべきだと考えており、自立できる状況になるまではメンターがほとんど全ての商談に対してフィードバックを行います。これまではZOOMやMeetで録画した動画を、2倍速にしたり手探りでカーソルを動かしたりして確認していました。ただ、1本あたり1時間近くかかることに加え、メンターによっては月に20本くらい見ることもあります。振り返りの工程だけで20時間ほどかかっているケースもありました。
しかしACES Meetであれば前述の通り3〜5分で振り返って、問題点を洗い出すことができます。大幅な時間短縮につながっていることを感じています。
―― 20時間かけていた作業が1時間くらいにおさまった計算になりますね。どのような使い方をすれば、これほど大きな時間短縮につながるのでしょうか?
提案の型に沿ったコミュニケーションができているか、お客様の特性や性格などをふまえて説明できているかなど、ポイントを絞って振り返るようにしています。具体的には、お客様が話し始めるタイミングから再生したり、こちら側の説明を聞くお客様がどのような表情をされているかなどを確認します。
ACES Meetなら、音声と対応する形で文字起こしをしてくれているので気になる箇所のピックアップも簡単です。新人さんにとってハードルが高いのは、提案を受けたお客様の納得感を向上させること。お客様によってはWeb広告に初めて取り組まれる方もいらっしゃいますので、こちらの説明がきちんと伝わっているかをACES Meetを使って確かめています。
話者の比率やリアクション分析などのAI機能も活用
―― そのほか、ACES Meetでお使いいただいている機能はありますか?
話者の比率やリアクションの解析は参考にしています。特に話者の比率については頻繁に見ていて、たとえばお客様を置き去りにして一方的に話してしまっていないかを確認します。自己満足で話すのではなく、お客様とバランスよく会話をできているか、お客様との間で合意がきちんと形成されているかを重要視していますね。
―― ありがとうございます。最後に、今後ACES Meetをどのような形で使っていきたいかをご教示いただけますか?
カスタマーサクセスでは社員の質が非常に大切です。だからこそ、社員教育への活用をさらに進めていきたいですね。たとえば社内研修でもACES Meetを使う機会は増えています。単に動画を観て終わりとするのではなく、文字起こし機能も活用しながら、動画の情報と文字の情報を出し分けていきたいですね。たとえば文章を読んでもらって考えを深めたあとで研修動画を観てもらうといった形で、知識の定着を図れるのではないかと思います。
- ■お話を伺った方
北川 慎太郎 さん - 全研本社 VI事業部 主任。2016年に全研本社へ中途入社。制作部門にて、コンテンツ制作を経験し、メディア分析や施策の実装を行う運用業務へ従事。 SEOの知見とマーケティングの経験を生かし、カスタマーサクセスを行う運用パートナー職に就任。顧客対応とメディアの運用、クライアントHPの分析・提案の他、社内の新人教育や研修などを行う。
- ■取材・執筆
ACES Meet 編集部 - ACES Meetは、AI がオンライン商談の録画・書き起こしを行い、商談の内容や温度感を共有・解析できる営業支援AIツールです。ブログをとおして、主に商談にまつわるナレッジをお届けいたします。