営業担当が第一印象をよくするためのポイント|第一印象が重要な理由も解説
更新日:2024年10月30日
公開日:2024年10月30日
営業活動において、顧客とのよりよい関係づくりを心がけている人も多いでしょう。実は、第一印象を磨くことで、信頼関係の構築から成約率の向上といった営業活動全体が改善する可能性があります。
この記事では、営業担当が第一印象をよくするための方法を解説します。
目次
営業に第一印象が重要な理由とは
顧客との商談において、人の第一印象は想像以上に大きな影響力を持ちます。ここでは、営業において第一印象が重要な理由を解説します。
第一印象は30秒以内に決まるといわれている
心理学の世界では、第一印象の形成にかかる時間はわずか30秒といわれています。アメリカのナリーニ教授の研究で明らかになった、有名な知見です。
人間の脳は30秒という短時間のうちに相手の服装や態度、話し方、表情などを分析し、印象を決定づけます。営業の現場では人を判断する数秒をどのように活かすかが、その後の結果を大きく左右します。
ハロー効果によるもの
「ハロー効果」とは、最初の印象が後の評価に影響するという心理学用語です。営業マンの第一印象がよければ、その後の提案や対応もポジティブに受け止められやすくなります。
反対に、最初の印象が悪いと、たとえ素晴らしい商品を提案しても心を開いてもらえない可能性があります。最初の出会いでの好印象は、その後の商談全体にプラスの効果をもたらす要素です。
メラビアンの法則によるもの
「メラビアンの法則」では、人間の印象を決める要素を以下のように示しています。
- 見た目・表情などの視覚情報:55%
- 声のトーンや話し方:38%
- 言葉の内容:7%
営業活動において、商品知識や提案以上に身だしなみや話し方といった非言語コミュニケーションが影響することが分かります。メラビアンの法則を意識することで、より効果的な営業アプローチが可能です。
営業担当の第一印象がいいことによる営業活動のメリット
第一印象の良し悪しは、その後の営業活動の成果にも大きな影響を与えます。ここでは、営業がよい第一印象を築くことで得られるメリットについて解説します。
信頼感の獲得
営業活動において重要な要素の一つとされるのが、顧客からの信頼獲得です。第一印象で好感を持ってもらえれば、その後の商談はスムーズに進みます。
とくに、初対面での印象がよければ、顧客は自然と心を開き耳を傾けてくれます。最初の出会いで信頼関係を構築できれば、商品の価値を正しく評価してもらえる可能性が高まります。
商談の進行がスムーズになる
営業がもたらすよい第一印象は、商談のスムーズな進行にもつながります。顧客が営業に対してよい印象を抱くと、商品に対する質問や要望も活発に出てくるものです。
よい営業と判断されたら、価格や導入時期などの踏み込んだ交渉もリラックスした状態で行えます。第一印象のよさは、相手の警戒心をなくすことにもつながるポイントです。
顧客の関心を引きやすい
清潔感のある身だしなみと自信に満ちた態度は、顧客の興味を自然と引き出します。第一印象のよい営業からの提案は、たとえ同じ内容でも真剣に検討されやすいものです。
顧客からより踏み込んだ質問が投げかけられたり、自社の課題についても率直に相談してもらえたりと、営業にさまざまなメリットがあります。顧客から「この人なら信頼できそうだ」と思ってもらえるよう、身だしなみを整える努力が必要です。
リピート率の向上
好印象のある営業は、顧客と末永くよい関係を築けます。初回の商談で信頼関係を構築できれば「次もあの営業に相談したい」と思ってもらえるからです。
信頼できる営業との商談は時間や労力の節約にもつながるため、顧客にとってもメリットが豊富です。第一印象を大切にすることは、一時的な成果だけでなく継続的な取引につながります。
営業担当が第一印象を良くするためのポイント
印象のよい営業担当になるために、難しいことを実践する必要はありません。ここでは、商談ですぐに試せる、第一印象をよくするポイントを解説します。
清潔感のある身だしなみ
第一印象において、清潔感のある身だしなみは基本です。全身鏡で自分を確認し、スーツのシワや髪の乱れ、靴の汚れがある人はすぐに正しましょう。
とくに営業の場合、身だしなみは自社の信頼性を表現するポイントでもあります。小さな乱れにも気を配ることで、プロフェッショナルとしての印象を与えることが可能です。
笑顔でのコミュニケーション
笑顔でのコミュニケーションは、商談の雰囲気を和らげる重要な要素です。営業がにこやかに接すれば、顧客もリラックスしコミュニケーションがスムーズになります。
営業に求められるのは、作り笑いではなく自然な感情から生まれる笑顔です。営業が緊張しすぎずリラックスした態度で接することで、顧客も自然と心を開いてくれます。
自信を持った話し方
営業は自信を持って話すことで、顧客への信頼感を獲得できます。落ち着いた低めの声で、適度なスピードでハキハキと話せば、プロフェッショナルな印象を与えることが可能です。
最初のうちは緊張で早口になったり声が小さくなったりしがちですが、意識的に呼吸を整え、ゆったりとした話し方を保ちます。なお、商品説明や提案時には、要点を明確にし分かりやすく伝えることを心がけましょう。
適切なボディランゲージ
ボディランゲージは、言葉以上に強いメッセージを発信します。猫背ぎみの人は背筋を自然に伸ばすだけでも自信と誠実さをアピールできるため、すぐに実践しましょう。
また、相手の話を聞くときは適度にうなずきながら体を少し前に傾けることで、相手の話を積極的に聞いている姿勢を示せます。反対に、腕を組んだり目線を逸らしたりする仕草は相手に不誠実さを感じさせるため避けるべきです。
相手の話をよく聞く
優れた営業マンになるために必要なのは、話す力以上に聞く力です。相手の発言を途中で遮らず、話が終わるまで耳を傾ける姿勢が求められます。
また、相手の話に対して適度に相槌を打ち、必要に応じてメモを取るという積極的な態度も信頼関係を築くポイントです。まずは相手の考えを受け止めることで、より的確な提案につなげられます。
丁寧な言葉遣い
営業のプロとしての印象を左右するポイントには、言葉遣いも含まれます。とくに初対面の営業では、丁寧な話し方で信頼性をアピールすることが必須です。
ただし、堅苦しすぎる言葉遣いは、かえってコミュニケーションの壁となります。相手や状況に応じてフォーマルさを調節し、自然な会話の中にも礼儀正しさが感じられる話し方を心がけましょう。
適度なアイコンタクト
営業が身につけるべきボディランゲージの一つに、アイコンタクトがあります。適度に目を合わせながらのコミュニケーションは、誠実さをアピールする方法として有効です。
商談では、相手の目を1~2秒ほど見つめた後、一旦視線を外すというリズムを作ると自然なアイコンタクトを取れます。重要な話や相手の反応を確認するときに使えば、意識的に信頼関係を深めることが可能です。
営業担当が好印象を持ってもらうためのプラスアルファの工夫
基本的な第一印象のポイントに加えて、さらに良好な関係を築くための工夫があります。ここからは、営業としての評価をより高めるためのプラスアルファのテクニックを紹介します。
相手の名前をしっかり覚えて使う
相手の名前をしっかり覚え、適切なタイミングで呼びかけると相手への関心を示せます。顧客は名前を覚えてもらうと「自分のことを大切にしてくれている」と感じるものです。
さらに、顧客の趣味や関心事を記憶して会話の中で触れれば、より深い信頼関係を築くきっかけとなります。ただし、過度にプライベートな話題は避け、ビジネスに必要な範疇で扱うのが大切です。
感謝を具体的に伝える
「ありがとうございます」のほかに具体的な内容を添えることで、心のこもった感謝を伝えられます。たとえば「お忙しい中、丁寧に説明していただきありがとうございます」「データを細かくご用意いただき、とても参考になりました」といった具合です。
相手の具体的な行動に触れることで、より誠実な印象を与えられます。相手は「自分の対応が正しく認識されている」と実感し、協力的になってくれます。
小さな気配りを実行する
商品の提案以外のシーンでも、顧客への気配りを忘れないようにしましょう。シーンに応じた小さな心遣いは、相手の印象に強く残ります。
たとえば、暑い日のペットボトルの差し入れや資料のファイリング、急に雨が降ったときの傘の貸し出しなどです。細やかな気配りの積み重ねは、相手を大切にする姿勢として高く評価されます。
専門知識を高めて提案に差別化を加える
信頼される営業になるには、商品だけでなく業界全体の知識を持つことが必要です。業界のトレンドや競合他社の情報といった幅広い知識を持つことで、より説得力のある提案ができます。
また、顧客の業界特有の課題やルールについても理解しておくことで、より実践的なソリューションを提供できます。専門知識の豊富さは、ビジネスパートナーとしての価値を高める重要な要素です。
相手の価値観やビジョンに共感する
優れた営業は、商品を売るだけでなく顧客のビジョンに共感する姿勢を持ちます。たとえば、エコをモットーとして経営する企業には、省エネ効果やSDGsを意識したアドバイスが効果的です。
従業員の働き方改革を進めたい企業には、業務効率化を重視した提案をしてもいいでしょう。相手の成功を心から願って接することで、ビジネス上の関係を超えた長期的なパートナーシップを形成できます。
レスポンスの速さと質を高める
ビジネスにおいて、すみやかな対応は信頼と安心感を生むポイントです。メールは24時間以内、できれば数時間以内のレスポンスを心がけるといった具体的な目標を定めましょう。
ただし、返信が速いだけで内容の質が伴っていなければ意味がありません。顧客からの質問に対して、いつまでに、どのような形で回答するかまでを伝えることで、より誠実な印象を与えられます。
顧客の成功にフォーカスしたコミュニケーションを心がける
商品の機能を説明するだけでなく、顧客の成果にフォーカスしたコミュニケーションを心がけましょう。具体的には「これがお客様のビジネスにどのような価値をもたらすのか」という視点が求められます。
たとえば「導入後3か月で○○の業務工数を30%削減できた事例があります」といわれると、顧客は具体的なイメージが湧きます。導入後のサポート体制や業績向上のためのロードマップまで示せば、誠意のあるパートナーとして評価されるでしょう。
営業の第一印象は今日から意識して変えられる
第一印象は、顧客との信頼関係構築から成約率アップといった営業活動全体に影響します。個人で意識することで、顧客満足度の向上とビジネスの長期的な成長につながります。
第一印象づくりを意識的に行い、顧客から選ばれる営業を目指しましょう。