BtoB展示会とは?出展するメリット・デメリット、出展までのステップ、成功させるコツを紹介
更新日:2024年10月29日
公開日:2024年10月29日
BtoB展示会は、自社製品のアピールやリード(見込み客)獲得のための効果的な手法です。BtoB展示会を成功させるために、担当者は具体的な出展方法や準備について把握しておくことが大切です。
この記事では、BtoB展示会の概要、メリット・デメリット、展示会の探し方、成功のコツについて解説します。BtoB展示会の成果を計る指標も紹介していますので、記事を参考に費用対効果の高い展示会を実施しましょう。
目次
BtoB展示会とは?
BtoB展示会とは、特定のテーマでメーカーやサービス提供会社が集まるイベントのことです。自社の商品・サービスを企業の担当者に直接紹介し、受注機会につなげたり、ブランドの認知度向上などを計る目的があります。
多くの来場者に幅広くアプローチできる展示会は、新規顧客開拓に効果的です。展示会はオフライン(リアル)はもちろんオンラインでも開催されています。個別の相談なども行えるため、コミュニケーションを取りながら、既存顧客を含めた取引の機会創出につなげられます。
BtoB展示会の種類
BtoB展示会にはオフラインとオンラインの2種類があります。一般的なBtoB展示会はオフラインで行われることが多いですが、コロナ禍を経て、オンラインでの開催も増えてきました。
オフライン(リアル)展示会
オフライン展示会は、展示場やホールなどのブースで対面形式で行われる展示会です。来場者にとっては一度に多数の商品・サービスの最新情報を収集・比較できる機会になります。展示会には、複数の企業が集まる「合同展示会」、商品のプロモーションを目的とする「パブリックショー」などがあります。
招待した顧客との関係強化を目的に行われる「プライベートショー」もあり、目的に合わせて出展することが大切です。出展企業は、展示デザインを考えたり、資料の印刷などの準備、ブース案内などの人員の手配などが必要です。
オンライン展示会
オンライン展示会は、ZoomなどのWeb会議ツールを通じてオンライン形式で行われる展示会です。オンライン展示会は出展費用や設営の手間、対応するスタッフが少なくて済むため、コストを抑えられるというメリットがあります。
また、時間や場所の制限がないので、遠方の顧客や多忙な担当者を招きたいときにも有効です。オフライン展示会のような視覚的なアピールが少なくなるため、商材の魅力をわかりやすく伝える工夫が必要です。
BtoB展示会に出展するメリット
BtoB展示会に出展すると知名度向上や販売促進など多くのメリットがあります。主なメリットは以下の4つです。
知名度を向上できる
展示会は、数千人以上の来場者が訪れる場合もあり、自社や製品を知らない人にもアピールできるなど知名度の向上に効果的です。自社ブースやチラシが多くの人の目に触れるため、商材に対する興味を喚起することが期待できます。
自社を知らず、通常では関わることのないような企業とも接することができるのは大きなメリットです。展示会は顧客と直接コミュニケーションを取ることもできるため、商材の魅力をダイレクトに伝えられます。知名度向上が目的の場合は、来場人数の多い展示会ほど効果的です。
顧客との関係を構築できる
BtoB展示会はさまざまなニーズを持つ人が集まるため、短期間で新規見込み客を獲得するために有効な手段です。それだけでなく、新たな商品・サービスの情報を求める既存顧客との信頼関係を深める機会にもなります。
既存顧客を展示会に招待すれば、デモなどを通じて商品・サービスの魅力をわかりやすく伝えることができます。顧客と良い関係を築くコミュニケーションの場となり、共感を得ることができればリピーター獲得につながるでしょう。
商品・サービスの販売を促進できる
展示会は、商品・サービスの販売促進にも効果的です。ブースに飾っておくだけでも興味喚起できますし、商材に触れて確かめてもらえるデモンストレーションの場としても活用できます。実際に体験してもらうことで、商品・サービスの魅力をよりアピールできます。
直接目で見たり、使用したりすることで、顧客が商材の価値を実感しやすくなるのがメリットです。参加者と直に対応するため、ニーズや課題に応じた訴求力の高いアピールができ、ビジネスにつながる可能性が高まります。
チームワークを向上できる
BtoB展示会への出展は、普段は個人で動く営業担当者やマネージャーが一致団結して取り組む施策です。営業やマーケティングに関わるメンバーが、分野をまたいで協力して準備を進める必要があり、チームビルディングにつながります。
協働するうちに話しやすい社員が見つかったり、手本にしたい先輩と知り合えるなど、以後の営業活動にも良い影響が期待できます。展示会で培ったチームワークは営業部門全体の連携や生産性向上に寄与してくれるでしょう。
BtoB展示会に出展するデメリット
BtoB展示会出展は、メリットだけでなくデメリットもあります。前もってデメリットを知り、対策を立てておくことで成功に至る可能性が高まります。
費用が発生する
BtoB展示会に出展するには、出展費やブース製作費などで総額50万円から200万円程度の費用が発生するのが一般的です。案内状やノベルティ費のほか、対応人員として自社社員はもちろんアルバイトなどの費用がかかることもあります。
せっかくコストをかけてアピールしてもまったく受注につながらないこともあり得ます。あらかじめどの程度の費用がかかるのか押さえておき、目標受注額などを設定しましょう。直接の売上だけでなく、ブランド知名度向上など将来の利益も鑑みて、費用対効果を見極めることが必要です。
親和性の高い展示会を見つけにくい
展示会は参入企業の数が多く、大枠のジャンルで開催されることが一般的です。そのため、自社の商品・サービスと親和性の高い展示会が開催されていない場合もあります。その場合には関連の少ない展示会に、無理に出展する必要があるか考慮することも大切です。
新規顧客を探していなかったり、商品・サービスがこれまでのバージョンと大きな差がなかったりする場合は効果があるか疑問です。出展する目的やテーマ、参加者層などを確認し、出展する意義や必要性を考えて判断しましょう。
BtoB展示会の探し方
日本国内ではさまざまな業界の展示会が開催されており、その数は年間600〜1,000件程度と言われています。展示会の主催者は業界団体や工業会などが多く、次のWebサイト・冊子などで調べることが可能です。
- BtoBプラットホーム
- ジェトロ(日本貿易振興機構)
- 「見本市展示会総合ハンドブック」(全国官報販売協同組合)
自社製品が所属する業界や、ターゲットとする職種や業種に展示会とつけて検索すると、「営業DX EXPO」などと表示されます。ターゲット層が集まる展示会に出展すると、幅広くアプローチでき、認知度の向上が図れます。出展する企業の情報を収集し、競合他社の出展状況なども参考にするとよいでしょう。
BtoB展示会に出展するステップ
BtoB展示会に出展する際は、以下のような手順で行います。それぞれのポイントを押さえておくと、出展の効果を高めることができます。
目標を明確にする
展示会に出展する企業にはさまざまなパターンがあるため、自社の目的を明確に決めておくことが重要です。たとえば、リード獲得や受注獲得、売上拡大などがありますが、さらに具体的な目標を立てておきましょう。
新規顧客のアポイントを獲得することが目的であれば、目標アポ数やどのようなアプローチを行うかまで定めます。認知度向上が目的の場合は、展示会とマス広告出稿のどちらがコストパフォーマンスが良いか比較することが必要です。
商品・サービスに合った展示会を選ぶ
展示会に出展する際は自社に合った展示会選びが大切です。展示会の目的がリード獲得メインであれば、商品・サービスのターゲット層が多く参加すると見込めそうな展示会を選びます。
ターゲット業種が決まっていない場合は自社商品・サービスに合わせたテーマの展示会を探します。その際は、出展する商品・サービスが展示会のテーマに合っているかどうかにも注意しましょう。費用に見合う効果を得るためにも、慎重に展示会選びを行うことが必要です。
展示会当日の計画を立てる
出展する展示会が決まったら、当日の人員配置や流れ、販売促進ツールの準備などオペレーションの計画を立てます。ブースのデザインや提示物、認知度促進のためのチラシやノベルティ発注など、担当を決め業務を分担して行います。
チラシはシンプルで見やすいデザインで、商品・サービスの価値が伝わるように工夫しましょう。チラシを配りながら参加者をブースに案内し、ブース担当者がデモを行ったり名刺を獲得したりなどおおまかな流れを決めておきます。
BtoB展示会の出展を成功させるコツ
BtoB展示会に出展する際は、以下の4つのコツを押さえるようにすると成功の可能性が高まるでしょう。
事前告知をする
展示会への出展が決まったら、既存顧客に事前告知しておきましょう。これにより、来場者のブース訪問が増え、出展している商品・サービスの受注率アップにつながります。告知にはDMやSNSやメルマガ、自社サイトなどを活用します。
出展の内容や目的に合わせてターゲット層を明確にし、興味をひくようなコンテンツ製作やプロモーションを行いましょう。興味の薄い顧客にもアピールできるように、事前告知にはノベルティの提供など来場特典を提示すると来場者アップに効果的です。
来場特典を用意する
展示会ブースには、わざわざ足を運んでくれた顧客に対し、満足度を高める特典を準備するようにします。来場特典にはノベルティの進呈や、限定プラン、無料相談などの方法があります。
来場特典は自社商品の知名度アップや、コミュニケーションの機会創出となり、リード獲得に有効です。無料で配るノベルティには、自社名や商材名の入ったボールペンなど、会社で使ってもらえそうな道具がよく用いられます。
個別相談に対応する
リードを獲得するために、個別相談の受付を用意することも大切です。気軽な相談事であっても、企業の抱える課題を解決できる会社であると認識してもらえます。また、相談に対応することで、相手企業の情報を収集できるため、今後のビジネスの役に立つ可能性があります。
顧客からの相談にすぐに対応できるように、前もって資料などを準備しておきましょう。相談に対応しつつ出展している商品・サービスをはじめ、自社製品を幅広くアピールします。顧客にとって役立つ情報を届けることで、良い印象を持ってもらうことができます。
見込み客をフォローする
展示会後には、見込み客と関係を築くために早めにフォローを行うことが大切です。名刺を交換しただけではリード獲得とはいえず、受注の確率が高まるまでフォローやナーチャリングを行うようにします。
一般的には展示会のお礼のメッセージを送りますが、その際は開封されたかどうか確認できるツールを利用するのがオススメです。顧客のニーズの顕在度によりランク分けし、それに応じたアプローチを行っていきます。ニーズが低い顧客の場合にも、定期的にメルマガなどで有益な情報を届けるようにし、関係をつなげることが大切です。
BtoB展示会の成果を測る指標
BtoB展示会の費用対効果を測定するために、次のような指標がよく用いられます。これにより目的を達成できたかの判断ができ、改善点に対する解決策を考えることができるようになります。
名刺交換数
名刺交換数は展示会での最も一般的な指標です。獲得した名刺の数が多いほど、リード獲得となり、受注機会につながります。獲得した名刺のうちビジネスにつながる可能性が高い見込み客を指す「有効名刺数」という指標も使われます。
この指標を用いる場合は、名刺の持ち主の業種や役職など受注確率に影響する条件を設定し、スコアリングすることが必要です。条件に関して現場のスタッフとも情報を共有しておけば、スコアリングがしやすくなり、分析や判断の精度が上がります。
ブース送客数
ブース送客数は、自社ブースへの来場した人数のことです。参加者は場内配置図やチラシ、ブース看板などによって訪問するブースを決定します。ブース送客数が多いほど、展示内容やブースデザインが参加者の関心を引き付けていることを表します。
ブランドや自社の認知度向上を目的に出展する場合は、効果が測定しにくいのが難点です。しかし、ブース送客数を把握することによって、効率的に認知度向上できたかが判断できます。
アポイントメント数
ブース訪問で興味を持ってもらったら、後日アポイントを取り商談に進みます。うまくアポイントにつなげるためには、ブース来場時に自社商品について魅力的な説明をすることが必要です。
展示会での感触が良かった場合でも、商談につながらないケースも多いため、当日アポが取れることは重要です。アポ獲得により展示会後の関係構築が可能となり、より効果的に営業活動を進めていけます。
受注数
受注数は展示会の効果を直接的に反映する指標です。展示会で獲得したリードが顧客となってくれたことを表し、数値が高いほど展示会の投資収益率が高いといえます。その場で受注が発生しない商品・サービスの場合は、展示会経由での受注数を測定しておきましょう。
受注数の測定では、受注金額も重要です。少額のものばかり売れたとしても、展示会が成功したとは言い難いからです。展示会で発生した利益とコストを正確に見極めるためには、売上金額にも目を向けましょう。
BtoB展示会のポイントを押さえて投資収益率を上げていこう
BtoB展示会は、リード獲得や知名度アップに効果的で、メリットの多い営業手法です。しかし、コストがかかる割に成果が上がらない可能性もあり、十分な計画や効果の測定が大切になります。
展示会出展は、関連部署とのチームビルディング効果もあるため、自社の営業部門強化にもつながります。出展を成功させるためのコツを押さえて効率的にBtoB展示会を実施しましょう。