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IP電話の選び方|Zoom PhoneとDialpadはどちらがおすすめ?

更新日:2023年07月13日

公開日:2023年06月02日

クラウドPBX(クラウド電話システム)の中から、国内でも広く利用されている「Zoom Phone」と「Dialpad」を比較しながら解説します。

「Zoom Phone」は、Web会議システムで知られるZoomが提供しているクラウドPBX。「Dialpad」は、2015年にアメリカでスタートしたクラウドPBX。どちらもツール自体の多様な機能の他、外部ツールとの連携機能も充実しています。電話の受発信業務が多い企業には要注目のツールです。

Zoom Phoneとは

Zoom Phoneとは、Web会議ツールで知られるZoomが提供しているクラウドPBX(クラウド電話システム)です。
一般的な固定電話との大きな違いは、電話回線のある場所へ移動しなくても電話の発着信ができること。固定電話の場合、固定電話回線のある場所でしか通話できませんが、Zoom Phoneと固定電話を連携させれば、インターネット環境のある場所ならどこでも通話可能となります。例えばリモートワークをしている最中でも、自宅のネットを通じて会社の電話を利用できる形となります。

Zoom Phoneと他のZoom関連アプリ(モバイルアプリ、デスクトップアプリ、Zoom Roomsなど)と連携させれば、より拡張性の高い利用の仕方も可能です。

参考:クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、インターネット上にあるPBX(電話交換機)を利用できるサービスです。一般的に利用されている固定電話を設置する場合、固定電話を設置する場所(会社のオフィスなど)にPBXを設置します。電話する場合には、PBXのある場所まで行かなければなりません。

一方でクラウドPBXを利用した場合、インターネット環境と端末さえあればどこでもオフィスなどの電話を受けたり、発信したりすることが可能となります。通話する端末は、個人のスマートフォンやパソコンで構いません。

新型コロナをきっかけにリモートワークが拡大する中、クラウドPBXは急速に注目を集めています。

Zoom Phoneのメリット

Zoom Phoneの主なメリットを見てみましょう。

Zoom PhoneはZoomミーティングとシームレスに連携可能

Zoomミーティングとシームレスに連携できる点が、Zoom Phoneの大きなメリットです。

一般的な固定電話とZoomミーティングを併用している企業は多く見られますが、両者を併用する場合、いったん電話を終了させてからZoomミーティングに切り替えるという一手間がかかります。

一方でZoom Phoneの場合、電話中にZoomミーティングへ簡単に切り替えられるため、電話を切ったりZoomミーティングで再接続したりなどの手間がかかりません。手間もストレスもなく必要なコミュニケーションツールへ切り替えできるため、本来業務の商談・会議等に集中できるでしょう。

Zoom Phoneは連携できる外部ツールが多い

連携できる外部ツールが多いこともZoom Phoneのメリットです。

連携できる主な外部ツールは、例えばSalesforce、Microsoft Teams、Google Workspace、Slackなど。いずれも、ツールの利用中にそのままZoom Phoneに切り替えて通話が可能となります。Google Workspaceの場合、カレンダーやメールの受信箱から電話をかけることもできます。通話内容を自動文字起こしできる一部ツールとの連携も可能です。

Zoom Phoneは「0ABJ番号」が利用できる

Zoom Phoneには0ABJ番号が割り当てられているため、一般的な固定電話と同じ「0」で始まる10桁の電話番号をそのまま利用可能です。

かつてのZoom Phoneは「050」で始まるIP電話番号しか利用できませんでした。2022年6月から0ABJ番号の利用が可能となったため、リモートワークなどで外出中でも、インターネット環境さえあれば自社オフィスの電話番号(「0」で始まる固定電話の番号)を使って受発信できるようになりました。

インターネット環境の整った場所で0ABJ番号を使って受発信すれば、一般的な携帯電話とは異なり、圏外になったり通話が途中で途切れたりすることはありません。音声品質も高いことから、ストレスなく通話できます。

Zoom Phoneは専門知識なく簡単に利用できる

Zoom Phoneに用意されているダッシュボードや管理ポータルを利用すれば、専門知識なく誰でも簡単に利用できます。システム担当者のレクチャーはほとんど不要で、すぐにでも導入・活用が可能です。

Zoom Phoneのデメリット

続いてZoom Phoneのデメリットを見てみましょう。

Zoom Phoneは既存のインターネット回線では品質が低下する恐れもある

音声品質・通信速度・情報セキュリティなどの観点から、Zoom Phoneでは新規インターネット回線の利用が推奨されています。

既存のインターネット回線でもZoom Phoneの利用は可能ですが、総合的な品質が低下する恐れもあることから、場合によっては事前に新規インターネット回線を引く必要があるかもしれません。

Zoom Phoneはどのようなケースに向いているか

従業員数400人以上の規模の企業には、特にZoom Phoneが向いているでしょう。

Zoom Phoneの有償プランには、1契約あたり400ユーザーという設定があります。また、有償プランを契約すれば、Zoom Phoneの全機能が利用可能となります。リモートワーカーの多い企業や支店間での電話連絡が多い企業で、かつ400人以上のユーザーが想定されるケースでは、Zoom Phoneの導入により業務効率化と固定費のコストダウンが期待できるでしょう。

逆に言えば、ユーザー数の少ない小規模な企業は、いったん他のサービスも比較してみたほうが良いかもしれません。Zoom Phoneには無償プランのみの契約が存在しないこと、および新規インターネット回線の利用が推奨されていることなどを考慮すると、小規模な企業には、少なくともコスト面におけるZoom Phone優位性は薄れる可能性がある点に要注意です。

Dialpadとは

Dialpad(ダイアルパッド)とは、音声通話やビデオ通話、テキストチャットなどの様々なコミュニケーション手段を搭載したクラウドPBX(クラウド電話システム)です。2015年にアメリカで始まったサービスで、日本ではソフトバンクが総代理店となりDialpadの各種サービスを提供しています。

導入にあたり初期費用は一切不要。IT部門の専門知識も要らず、最短5日間でスピーディに導入できます。Google WorkspaceやOffice 365との連携も可能です。

すべてのユーザーに固有の「050」で始まる電話番号が付与されますが、オプションで固定電話番号と同じ「0」で始まる0ABJ番号も利用可能。既存の固定電話番号を変えることなく通話機能を維持できます。

Dialpadのメリット

Dialpadの主なメリットを見てみましょう。

Dialpadは各種コミュニケーション手段が集約されている

ツールの中に音声通話機能、ビデオ通話機能、チャット機能、グループメール機能など、様々なコミュニケーション手段が集約されている点は大きなメリットです。

同じツール内の機能なので、ある機能を使用中に別の機能への切り替えもスムーズ。「チャットでは説明がしにくいのでビデオ通話に切り替える」などのシーンにも、シームレスに対応可能です。

Dialpadは様々な外部ツールと連携できる

Google Workspace、Office365、Salesforce、Zendesk、Slackなど、様々な外部ツールと連携できる点もDialpadのメリットです。すでに導入済みで利用し慣れているツールと連携できれば、今まで以上に業務の効率化や生産性向上が図れるかもしれません。

なお、連携できるツールの種類はプランにより異なります。外部ツールとの連携を前提に導入をお考えの場合には、事前にプラン内容をよく確認しましょう。

Dialpadはインターネット環境と端末があればどこでも利用可能

インターネット環境と端末さえあれば、いつでもどこでも利用できる利便性の高さもDialpadのメリットと言えるでしょう。

個人所有のスマートフォンやパソコンからでもDialpadのサービスを利用できることから、在宅でのリモートワークへの移行もスムーズ。業務用端末を社員に支給する必要がないので、会社としてはコスト負担を避けることもできます。

Dialpadは0ABJ番号を割り当てられる

「050」で始まるIP電話番号だけではなく、オプションとして固定電話と同じ「0」で始まる0ABJ番号を割り当てられます。

0ABJ番号を利用できれば、在宅ワーク中でも会社の電話番号を利用できることから、取引先も安心して受電することが可能。インサイドセールスにおけるはじめての架電でも、「050」ではなく「03」などで始まる一般的な電話番号であれば、相手に警戒されにくくなるのではないでしょうか。

Dialpadのデメリット

大きなデメリットは見当たらないDialpadですが、一部ユーザーの口コミからは、日本語でのサポートに対する不満の声が聞かれます。

Dialpadはアメリカ発の製品なので、まだ十分に日本語でのサポート体制が確立していない可能性もあります。利用者増に伴い、代理店での日本語サポートがより充実してくることを期待しましょう。

Dialpadはどのようなケースに向いているか

低コストでクラウドPBXを導入したい企業はDialpadの導入を検討してみましょう。
2023年時点でのユーザーライセンス料金は、「Standard」で1ユーザーあたり月額1,000円。機能を増強した「Professional」は月額1,500円、「Enterprise」は月額2,000円と、いずれも比較的リーズナブルな料金設定です(消費税不明)。

契約ユーザー数は、「Standard」なら1~100人。小規模な企業でもユーザーあたりの単価は上がりません。初期費用も不要なので、コストを抑えながらクラウドPBXの導入・運用が可能です。

電話受発信の効率化・低コスト化を実現するクラウドPBX

それぞれの機能や料金、契約条件などには違いがありますが、どちらも電話の受発信の効率化・低コスト化には大きく貢献するツールです。外部ツールとの連携機能も充実しているため、導入により現状の業務システムは大きく改善される可能性があります。

両製品をよく比較し、より自社のニーズに適したほうを選ぶようにしましょう。

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執筆者

ACES Meet 編集部

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